トランプ大統領の就任演説後、日本のマスメディア挙っての大騒ぎには、ちょっと驚かされた。
例えば、
・選挙キャンペーンと同じような姿勢で演説した。選挙期間中から訴えてきた公約であろうと、そのまま言い続けることに驚きを隠せない。
「選挙公約」や「マニフェスト」を守ることなど歯牙にもかけず、選挙が終われば空念仏と化す日本独特の上意下達(悪習)なればこその発想?
・歴史を振り返りながら世界における米国の役割や使命を語り、現在の情勢を見据えていかなる方向に世界を導くのかといった理念や世界観を語るべきなのに、それすらなかった。
「米国は世界の警察官であることを辞める」「米国第一主義」と言ってたことにもお構いなしで、米国が世界に対して何をしてくれるのかを期待するだけ。モンロー主義の再来かもしれないのに(考えすぎか?)。
◆国境の壁に関して
日本の新聞テレビの論調は差異がなく判を押したように横並びで、もう誤魔化し切れなくなったと観念したのか、正確に訳した「不法移民」という言葉を使いだした。
・トランプ大統領は25日、国境警備や不法移民対策を管轄する国土安全保障省を訪問。選挙公約だった二つの大統領令、メキシコ国境に壁を建設する不法移民対策とシリア難民受け入れの凍結、シリア難民などへの査証発給を中止、難民受け入れ数の半減などの対策に署名。
・1100万人とも言われる不法移民対策に非協力的な自治体への連邦政府の補助金交付停止も盛り込んだが、実現可能性や実効性には疑問が尽きない。
・イスラム教徒の実質的な入国制限とも言え、「米国の安全第一」を名目にした排外主義への批判が高まる可能性もある。
・中南米からの移民は、「親の送還を恐れ、学校で子供達が泣いている」と顔を曇らせた。米国社会の一員として働いてきた不法移民まで摘発して追放するのなら乱暴としか言えない。排除と不寛容の姿勢が際立つ。
日本政府だって不法難民を(しかも親だけの場合も)強制送還してるけど、ほっかむりしてお構いなし。
柵の建設は2001年の米同時多発テロを受け、国境警備強化法を成立させたブッシュ政権時代に本格化。メキシコとの国境は約3150キロで、内約1050キロには既に柵があり、現在約2100キロが未着工。
なぜトランプ大統領だけを、親の仇のように執拗に叩くのか? マスメディアは、既得権者や既得権益の代弁者だからか? また、1100万人の不法移民を日本版に置き換えると、凡そ400万人の不法難民を受容せざるを得なくなる。それでも不寛容と騒げるのか?
◆就任演説に関して
○選挙期間中のように聴衆を煽ることはせず、「国民の団結」や「約束を守る意思」を示すため、選挙中の演説や討論会よりも抑え目な演説だった。
○「日常会話でも使われる易しい言葉」「誰にでも分かる言葉」で力強く語ったトランプ大統領の演説は、非常に分かりやすかった。