2019年2月アーカイブ

危うくないか、キナ臭くないか、J-REIT。

今年に入り国内外のREIT(不動産投資信託)で資産を運用しようと、個人投資家の資金が戻って来ているそうだ。REITの資金流出入額の動向を見ると今年1月は113億円が流入し、平成28年10月以来2年3ヶ月振りの流入超(流出額<流入額)になったとか。

なんと毎月分配型においては高齢者の資金も回帰しているそうで、喉元過ぎればなんとやらで泣きを見なければ良いのだが。

REITはオフィスビルやマンション、商業施設から得られる賃料という比較的安定した収入源を基にして利益を投資家に分配する不動産投資信託のため、相対的に高い配当利回りが期待できる金融商品と言われてきたのだが、毎月分配型投信は分配金を支払うために投資元本を取り崩さなければならない危険性も高かった。

★そこに付け込んだのが海外のヘッジファンドだ。

J-REITは東京五輪開催による都心部の再開発や地価上昇の欲の皮、日銀の異次元緩和による相対的な利回り高に沸き、平成28年度末までは堅調に推移したとされるが、それ以降、金融庁が運用実態よりも高い分配金を出す毎月分配型の金融機関による積極的な販売に待ったをかけた事もあり、一転して資金流失に見舞われることになった。

分配金捻出のためのREIT売却で価格自体が下落。分配金の引き下げも相まって、純資産総額(残高)も大きく目減りした。

毎月分配型は毎月決算が来るようなもの。決算に照準を合わせて売り込めば、ヘッジファンドは濡れ手に粟だったに違いない。


◆昨年度以降J-REITに買いが入り、相場を下支え

理由は、分配金利回りは年平均4%強と他の金融商品に比べ高く、価格の割安感や安定感の強まりで投資家などから買いが入ったからだそうだが、国内外の機関投資家や個人投資家だけでなく、日銀が買い支えている事も大きな要因の一つではないか。

事実、日銀は今日も東証REIT指数の下げ幅を圧縮させるべく、J-REITを12億円買い入れている。

昨年1年間、J-REITに投資するファンドがプラスのリターンを上げたことで再注目され、資産分散効果や運用効率の改善を謳って推奨する記事も多くなってきた。

果たして、個人投資家がのこのこ出て行って大枚を叩いて良いものかどうか?


◆リスク要因

・長期金利の上昇
・主な買い主体は海外投資家
・東京五輪後の不動産市況に不透明感
・日銀の澄まし顔はいつまで

地元紙の「福島民報」が、JRA唯一の現役女性騎手でもある、藤田菜七子(21歳)騎手のG1初騎乗について、

日本中央競馬会(JRA)のただ一人の現役女性ジョッキー藤田菜七子騎手は17日に東京競馬場で行われたフェブラリーS(ダート1600m)のコパノキッキングでG1初騎乗し惜しくも五着に敗れた。福島でも活躍するアイドルジョッキーがJRA所属の女性騎手として初めてG1に挑んだ歴史的な挑戦にファンが大いに沸いた。

最後方から思い切って直線勝負に懸けた藤田騎手とコパノキッキングに大声援が飛ぶ。大外に持ち出し伸びたが届かず歴史的G1初挑戦は五着に終わったが、ファンは「よくやった」「ありがとう」と健闘をたたえた。

と報じた。

今まで知らなかったのだが、藤田菜七子騎手は2016年(平成28年)3月にJRA7人目の女性騎手としてデビュー。4月に福島競馬場で記念すべきJRAでの初勝利を挙げたらしい。藤田騎手にとて福島競馬場は浅からぬ縁があるのではなどと、勝手に思ったりもする。

他に菜七子関連の記事は無いかと探してみたら、17日付け「スポニチ」に吉永みち子氏による特別寄稿が載っていた。


◆夢破れ散った多くの女性騎手の分まで

「男社会中の男社会」と評される競馬界で、藤田菜七子騎手がコパノキッキングと偉業に挑戦する事になり、50年分の想いを綴った?

どちらかというと地味なフェブラリーSが、今年は派手に注目されている。初めて女性騎手がG1レースに騎乗するから。今から半世紀前、私がちょうど競馬を始めた頃、水沢競馬場で女性騎手第1号の高橋優子さんがデビューした。どこまでも男社会の競馬界で仕事をするようになって、第1号の前に昭和11年に幻の女性騎手がいたことを知った。岩手県出身の斎藤澄子さん。頭を丸め、男の服装で胸に晒をきつく巻き、"男"として騎手の夢を追いかけ続け、福島、府中、京都と転々としながらついに騎手免許を取得。しかし、一度も騎乗の機会を与えられることなく失意のうちに27歳で亡くなっている。

女性騎手だからデビュー戦で負けたらやっぱり女には無理だといわれる。だから、彼女を支えた当時の先駆的な人達は、必ず勝てる馬に乗せようとデビューを待った。その間に、世間は女性騎手出現と興味本位の話題にし、JRAの前身である日本競馬会は時期尚早と判断して、騎乗は許されなくなった。それでも彼女は、いつか走れる夢をつないで厩務員として競馬場にとどまったが、ついにその日は来なかった。無念だったろうと思う。

・・・

戦前とは言え未だ少しばかりの余裕はあった昭和11年だが、二・二六事件が勃発。軍国主義へと突き進んでいった時代でもあった。女性が騎手として生きるには、艱難辛苦の世知辛さだったかもしれない。

★あんな無様な「軍国主義」の時代には二度と逆戻りしたくない。そういう時代があった事を決して忘れてはならない。女性も普通に活躍できる世の中になって欲しい。と、スポニチ読んで改めて沁みる寂寥感か。

孫社長が表明した自社株買い6000億円と全消却方針、一か八か勝負に出たか? と思っていたら昨夕の私設取引で約6%(547円)高の9009円で取引成立とのこと。

更に今日は、制限値幅の上限(ストップ高水準)となる前日比1500円高の9962円で終え、凡そ3ヶ月半振りの高値だったらしい。

ブルームバーグが伝えたところによると、(自己株式を除く発行済み株式総数の10.3%)6000億円を上限とする自社株買いの実施を発表。規模は過去最大で、自社株買いの実施は凡そ3年振り。

取得資金は通信子会社ソフトバンク上場による手取金の一部を使う。通信子会社の株式上場で得た税引き後の調達額2兆円の内、自社株買いに加え7000億円を負債返済、7000億円を新規投資に充当するそうだ。

孫正義社長は記者会見で、「負債を除くソフトバンクGの保有株式価値が21兆円に対し、現在の時価総額は9兆円で、『私は安過ぎると思う』」、「どういう行動をするかと言えば、『自社株買いをする』全て消却する予定」と述べたという。

ソフトバンクグループの業績
グループ業績10-12月期前年同期
売上高 2兆5146億円 2兆4001億円
営業利益 4383億円 2740億円
純利益 6983億円 9123億円
事業別利益10-12月期前年同期
国内通信事業 1930億円 1701億円
スプリント事業 620億円 897億円
ヤフー事業 376億円 492億円
アーム事業 -40億円 -71億円

 参照元:ブルームバーグ・ニュース

◆巨額の株式時価総額? 所詮ただの含み益だよね

サプライズの自社株買だったが金額規模が大きくて、単純にポジティブな反応を示して良いものかどうか。自社株買いの音頭に踊らされて、個人投資家がのこのこと高値買いに出て来て良いものかどうか、思案の為所なのではないか。

○営業利益が前年同期に比べて60%増えたのは、投資事業の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」からの営業利益が1764億円に増加したから。

○純利益が前年同期に比べて23%減ったのは、保有する「米半導体メーカー エヌビディア」の株価が大幅に下落し、約3000億円の未実現評価損失を計上したから。(エヌビディア株は1月に全株を処分したとしている)

アップルやフェイスブックの例を見るまでもなく、時価総額なんて一瞬にして数十兆円の減損を余儀なくされることもある。


◆有利子の負債リスクも膨らみ続けている

連結有利子負債は昨年9月末時点で18兆円近くに上り、利払い負担は18年3月期に約5100億円に達していた。格付けも投機的水準だ。

これまで歴史的な低金利によるカネ余りを背景に投資資金を吸い寄せてきたソフトバンクGだが、世界的に金利上昇傾向にある中、金利が1%上がるだけで2千億円弱の利払い費が増加することも懸念される。

銀行はこれ以上の追加融資には難色を示している。それでも社債など借金の借り換えは、待った無しだ。そして、投資ファンド収益の振れは大きいという現実問題もある。


★これ以降、株価の暴落(下落でも?)が発生した時が、ソフトバンクGの息の根が止まる時。という可能性も無きにしも非ず、桑原桑原。

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