最近は、相対取引である殆どのFX業者が手数料を無料化し、スプレッドもどんどん狭くなる傾向にある。一方、取引所取引である証券会社の利益は、顧客の株取引で生ずる売買手数料から得ている。
どうやってFX業者は利益を上げているのか。業界最安スプレッドを謳うFX業者に不安を感じないのか? FX業者の良し悪しは何で判断するのか。
FXは相対取引のため、売り手と買い手の思惑が一致した同一相場(値)で、取引が行われるのではない。業者からスプレッドを含んだ売値と買値の相場が提示されるので、同一通貨であっても買い手と売り手それぞれの約定値は異なることになる。
その後、業者は買った通貨を市場(カウンター・パーティーとなる、インターバンク市場に参加している取引銀行)で買値で売るか、売った通貨を同じく市場から売値で買い戻そうとする。
この場合、基本的に取引による業者の利益はゼロ。
上手い具合に、同一通貨の売り手と買い手が、ほぼ同時に取引をすると、ある顧客から買った通貨をそのまま別の顧客に売ることが出来るので、業者にとってはその差(スプレッド)が利益となり、これをマリー益と呼ぶらしい。
顧客数が多く、取引高が多い大手の業者は、当然このマリー益が多くなる。
因みに、ギャンブルなどではマリー取引のようなものを注文を呑むと言い、呑み行為として違法となるが、FX業界では合法化されている(?)ので問題にはならない。ただ、マリー取引(益)のおかげで、FXトレーダーは低スプレッドの恩恵に浴しているのも事実なんだとか。
良いFX業者とは、
・突発的な出来事や要人発言で他社がスプレッドを広げたとしても、極力スプレッドを維持する
・サポートやレジスタンスなどのエントリーやイグジットチャンスで、顧客の不利な方向にスリッページさせたり、拒否したりしない
・同時にマリーできる注文以外、全てカバーする(ヘッジ率の低い業者は怪しい)
なのかもしれない。
ついでに、FX業者はボランティアではなく、利益を追求する企業であり、利益が出なければ破綻するしかない。
多少の手数料やスプレッドは安全を買うための当然のコストだ、と考えるトレーダーが増えれば良いFX業者も自ずと増える?