日本人好みの高金利通貨が危機に瀕する?

日本人好みの高金利通貨=新興国通貨(南アフリカランド・トルコリラ・メキシコペソ)の足元が揺らいでいる。まぁ、アルゼンチンペソやブラジルレアルは、未だ未だ日本人には馴染みがないから良かったのかも知れないが。

昨年11月の「無理筋かな?ミセス・ワタナベ、逆行したら大事だよ」記事で、FX(外国為替証拠金)取引で個人投資家に大人気のトルコリラと南アフリカランドが下落しているが、「ミセス・ワタナベ」が得意の逆張り戦略で応戦した。だだ、トルコと南アフリカの政治情勢は見通し難く戦略の危うさを指摘する声も多いので、詰まれたら大変だみたいな事を書いた。

その後、南アフリカランドは順調そうにも見えていたが・・・。

昨年11/30時点のレートは、
 南アフリカランド8.21円、トルコリラ28.67円、メキシコペソ6.04円

05/30(13:00)現在のレートは、
 南アフリカランド8.56円(4.3%上昇)、トルコリラ23.84円(16.8%下落)、メキシコペソ5.47円(9.4%下落)

特にトルコリラの下げがきつく、一時22.30円前後(22.2%)まで下落したのは、ミセス・ワタナベのロスカット(損失覚悟)リラ売りが膨らんだ事が原因だったとされている。

強制ロスカットの痛手を負った個人投資家は、結構な数に上ったのではないか?


◆ミセス・ワタナベ狩りだって?

5/28付け日本経済新聞「ミセス・ワタナベ狩りか トルコリラで投機筋と攻防」記事には、

今や米ドルの次に注目度が高い通貨はトルコリラ。外国為替証拠金取引(FX)を手掛ける個人投資家(通称ミセス・ワタナベ)を対象にした調査で、そんな結果が出た。下落基調を強めているが故に割安感もあるとされるリラ。金利も高めで日本の個人投資家によるリラ買いは活発だ。ただ相場急落で損失確定を迫られるケースも出ており、裏側に投機筋の仕掛けがあるとの話も。真相は不明だが、注意は必要だ。

という、興味深い内容が書かれていた(有料記事なのが残念)。


◆高金利通貨が売られる背景?

 ・経常赤字
 ・高インフレ率
 ・カントリーリスク
 ・米国の利上げ継続でドル高基調

など、目白押し的な感じがしないでもないが、トルコのエルドアン大統領には困ったものだ。

 ・自身が金融政策により責任を担うだろう
 ・より低い金利がインフレ率の鈍化をもたらすだろう
 ・中銀は選挙後に大統領のシグナルを無視できないだろう

みたいなこと言うか、普通?


★いずれにしても、過去の米国利上げ局面では「テキーラ・ショック」や「アジア通貨危機」などの新興国ショックが起きている。

米国金利が上昇すると危険性大の高金利通貨を買う魅力が薄れ、資金が引き揚げられて米国に還流するので、経常赤字の補填を海外資金に頼る国は資金流出の危機に晒されて通貨安が進みやすくなると言われる。

○新興国通貨危機の可能性も視野に入れるべき時なのかもしれない!

この記事について

このページは、烏柄杓が2018年5月30日 14:25に書いた記事です。

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