2018年2月アーカイブ

金融庁が円高抑制策に打って出る?

金融庁はFX(外国為替証拠金取引)の規制強化策を議論するため、2月13日に店頭FX業者の決済リスクを議論する有識者会議を立ち上げたそうだ。

日本経済新聞によれば、個人投資家のレバレッジ(証拠金倍率)を現行の25倍から10倍に引き下げ、外国為替相場が急変動した際に個人投資家や業者が想定を超える損失を抱えるリスクを減らすことを検討するらしい。

レバレッジはトレーダー(個人投資家)がFX業者に預けた証拠金の何倍まで取引できるかを示すが、10倍に引き下げたからと言って、想定外の損失を抱え込むトレーダーが無くなるわけではない。
却ってレバレッジを10倍ギリギリまで掛ける事が横行し、通常の相場時でさえ損失を抱え込むトレーダーが増加するのはないか。


◆金融庁が規制しない高リスク商品

投資家保護のために本来規制すべき高リスク商品を、金融庁は野放しにしている。企業優遇のために?

例えば、過度な乱高下を繰り返して荒れる「ビットコイン」。
例えば、たった一晩で価格が96%も暴落した「野村のVIXベアETN」。

日本経済新聞「恐怖指数の関連商品、価値が一晩で96%消滅 ボラティリティーが揺らす市場(下)」記事によれば、
「落ち着いた値動きに慣れきっていた市場を襲った突然の価格変動は、ある特殊な金融商品の価値をほぼ全損させた。」
「借り入れでレバレッジを掛けたり、市場と逆の動きをしたりするETFやETNは通常の商品とは異なると明記する規制を導入すべきだ」 とある。

個人投資家を餌食に、企業保護を優先する金融庁の二枚舌(ダブルスタンダード)政策がありありではないか。


◆金融庁の標的は ミセス・ワタナベ?

相場の流れに逆らう逆張り戦略で円売り・ドル買いの持ち高を増やしてきた、FX取引を手掛ける個人投資家「ミセス・ワタナベ」に変調の兆しが表れている。急速な円高・ドル安で一部は含み損を抱え、損失を限定する円買いに動き始めた。円高加速を招いたり円安への戻りを抑えたりする要因にもなりかねない。

と、2月19日付け日本経済新聞が伝えている。

政府は前々から、ドル円相場を揺るがす(=政府の思惑通りに事が運ばない)「ミセス・ワタナベ」を忌々しく思っていた感がある。

○FX取引のレバレッジを25倍から10倍に引き下げる規制強化で、投資家保護の名の下に、意図しないミセス・ワタナベの影響力を極力削ぎ落としにかかっているというのが本音なのではないのか。

安倍首相に媚を売りたいのか、輸出大企業に恩を売りたいのか、今朝も浅川財務官が「ここ最近の円の動きは一方向だ」と円高牽制を狙った発言をしていた。

輸出企業が設定した為替レートの110円10銭台や109円60銭台も然る事乍ら、税務署からの消費税還付を受け取る輸出大企業が予想外の金額の減少を問題視したのかも?

だって、麻生財務相は15日の衆院予算委員会で、「今の状況は特別に介入しなければいけないという程、急激な円高ではないし円安でもない」「今の段階で直ちにと考えている訳ではない」と答弁してるのに。

次の日、浅川財務官は「為替は一方向に傾いている」と意味不明発言。円高なのかドル安なのか、はっきりせんかい!

更に今まで株価下落でリスク回避の円高と言われてきたが、直近ではリスク選好の株価上昇が円安に結びつかなくなってきた。また米国では予想を上回る物価上昇で米長期金利が2.9%を突破したが、ダウ工業株30種平均は大幅に続伸するなど、ちぐはぐさが目立つ有様。

米国の長期金利上昇&株高、いずれも円売りドル買いの材料の筈だが、円高が止まず理解に苦しむ状況だろう。

という事で、検索々々。


◆米国財政への懸念が市場で徐々に高まる

 ・大型減税による歳入不足
 ・大型インフラ投資による財政赤字拡大
 ・1兆ドル(凡そ100兆円)に上る米国債発行による米ドルの価値毀損
 ・米国債信用不安による各国の米国債買い控えや投げ売り


◆投機的なドル買いの調整

 ・今までのドル円相場は日米間の金利差に着目した投機的なドル買い傾向が強く、シカゴIMM筋も円売りポジションを積み上げていた。
 ・ここ最近の動きは投機的な円売りの調整である。


◆ドル全面安(円独歩高ではない)

 ・今年(2月16日まで)に入ってからの対ドルリターンは、円が約5.7%、ノルウェークローネは約5%、スイスフランは4.9%、NZドルは4.2%、英ポンドは3.9%、ユーロは3.4%、豪ドルは1.4%、カナダドルは約0.4%でドルの全面安。

 ・昨年1月から今年2月16日までの対ドルリターンは、デンマーククローネは約20%、ユーロは19.3%、スウェーデンクローネは約16%、英ポンドは14.6%、豪ドルは10.0%、円が9.7%、スイスフランは9.5%、NZドルは6.7%でドルの全面安。

 ・この1年余り、円だけが強くなったわけでは全く無い。

 ○つまりは円の買い遅れが原因=投機筋の円売りポジションの巻き戻しが続く?


◆追記

為替損益の静寂2のブログで「平成30年02月時点のCME円先物持高」と「平成30年02月時点のCMEユーロ先物持高」などのグラフを見ると、円のIMM通貨先物未決済ポジションは売り越し、ユーロなどのIMM通貨先物未決済ポジションは買い越しとなっており、シカゴの投機筋だけが原因ではなさそうだ。

初場所初日から精彩を欠いた横綱白鵬が序盤戦で休場してしまった。横綱在位63場所と歴代1位(北の海)に並んだ白鵬らしくなかったなと思っていたが、毎日新聞に原因の一旦となるであろう「張り手・かち上げ封印、心に迷い」という記事があった。

有ろう事か横綱審議委員会(横審)は、白鵬の張り手とかち上げを「美しくない。見たくない」と非難したのだ。また、九州場所11日目の嘉風戦で敗れたが、勝ち名乗り後も土俵を下りない非礼で厳重注意された。とも書いてあった。

初日の取組後、白鵬自身が「私も出なくてホッとした」と振り返ったように、張り手とかち上げを封印したがために立会いの威力を欠き、負けが込む結果となったのだ。

○これらは日本人横綱ではない白鵬に対する、横審や相撲協会関係者による明らかな差別なのではないか?

横綱は誰もが勝敗に進退をかけている、命懸けだ。それを行司の匙加減一つで、立会いが成立したり・成立しなかったりでは、如何に横綱白鵬と言えどもすんなりとは受け入れ難かったに違いない。


◆品格とは何ぞや、横綱の品格を明確に言葉で説明できるのか?

徒に横審は品格と言う言葉を持ち出すが、「品格とは」と問われても誰一人として的確に答えられないだろう。だって、品格の定義そのものが無いんだから。

横綱の品格や在るべき姿、矜持など、今となっては絵空事? と思えなくもない。

・親方株-かつては数億円の札束が乱れ飛んでいた。
・弟子殺し-稽古(扱き?)と言う名の親方の暴力で、弟子を死に至らしめた
・協会不祥事-やくざを溜席で観戦させた、などなどなど

・降格しない横綱-貴乃花の1年以上もの休場を不問に付し続けた横審


◆いつから?

横綱の品格崩壊は、若貴兄弟から始まったと言っても差し支えないか?

「美しくない。見たくない」相撲の筆頭力士は、「腕(かいな)を極める」魁皇関。

相手の両差しを自分の両腕で外側から抱え込み、相手の動きを封じる相撲の技を閂(かんぬき)、片腕のみで閂を極めることを片閂(かたかんぬき)と呼んだ。

弱かったけど、大柄な体格と怪力の持ち主だった魁皇関が良く使っていた。魁皇は片閂した相手をその怪力で引きづり回した挙句、小手投げや極め出しなどで攻めたので、肘を壊される力士が数多く出るなど力士潰しの非常に危険な技だった。

○横綱審議委員会が公平公正だとは、とてもとても思えない!

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