安倍首相に媚を売りたいのか、輸出大企業に恩を売りたいのか、今朝も浅川財務官が「ここ最近の円の動きは一方向だ」と円高牽制を狙った発言をしていた。
輸出企業が設定した為替レートの110円10銭台や109円60銭台も然る事乍ら、税務署からの消費税還付を受け取る輸出大企業が予想外の金額の減少を問題視したのかも?
だって、麻生財務相は15日の衆院予算委員会で、「今の状況は特別に介入しなければいけないという程、急激な円高ではないし円安でもない」「今の段階で直ちにと考えている訳ではない」と答弁してるのに。
次の日、浅川財務官は「為替は一方向に傾いている」と意味不明発言。円高なのかドル安なのか、はっきりせんかい!
更に今まで株価下落でリスク回避の円高と言われてきたが、直近ではリスク選好の株価上昇が円安に結びつかなくなってきた。また米国では予想を上回る物価上昇で米長期金利が2.9%を突破したが、ダウ工業株30種平均は大幅に続伸するなど、ちぐはぐさが目立つ有様。
米国の長期金利上昇&株高、いずれも円売りドル買いの材料の筈だが、円高が止まず理解に苦しむ状況だろう。
という事で、検索々々。
◆米国財政への懸念が市場で徐々に高まる
・大型減税による歳入不足
・大型インフラ投資による財政赤字拡大
・1兆ドル(凡そ100兆円)に上る米国債発行による米ドルの価値毀損
・米国債信用不安による各国の米国債買い控えや投げ売り
◆投機的なドル買いの調整
・今までのドル円相場は日米間の金利差に着目した投機的なドル買い傾向が強く、シカゴIMM筋も円売りポジションを積み上げていた。
・ここ最近の動きは投機的な円売りの調整である。
◆ドル全面安(円独歩高ではない)
・今年(2月16日まで)に入ってからの対ドルリターンは、円が約5.7%、ノルウェークローネは約5%、スイスフランは4.9%、NZドルは4.2%、英ポンドは3.9%、ユーロは3.4%、豪ドルは1.4%、カナダドルは約0.4%でドルの全面安。
・昨年1月から今年2月16日までの対ドルリターンは、デンマーククローネは約20%、ユーロは19.3%、スウェーデンクローネは約16%、英ポンドは14.6%、豪ドルは10.0%、円が9.7%、スイスフランは9.5%、NZドルは6.7%でドルの全面安。
・この1年余り、円だけが強くなったわけでは全く無い。
○つまりは円の買い遅れが原因=投機筋の円売りポジションの巻き戻しが続く?
◆追記
為替損益の静寂2のブログで「平成30年02月時点のCME円先物持高」と「平成30年02月時点のCMEユーロ先物持高」などのグラフを見ると、円のIMM通貨先物未決済ポジションは売り越し、ユーロなどのIMM通貨先物未決済ポジションは買い越しとなっており、シカゴの投機筋だけが原因ではなさそうだ。