日銀は大愚な上に、黒田東彦日銀総裁は大嘘付きか?

昨年末、日銀金融政策決定会合後の会見で、保有残高が20兆円を超えるETF(上場投資信託)の買い入れは株式市場を歪めるとの懸念について、黒田日銀総裁は「金融的な行き過ぎが起こっているとか、バブルが起きているという状況ではない」と強調した。

更に今月23日、同会合後の会見で黒田総裁は、ETFの年6兆円ペースの買い入れ見直しの議論に触れ、「株式市場の過度の期待の強気化は観察されない」と述べた。

本当にそうか?

○黒田総裁が2013年に異次元緩和を導入した1年後、日銀は株価が上昇中でも金融緩和を継続できるように、「金融活動指標(ヒートマップ)」における株価過熱警報の基準を変更し、力尽くで株価を押し上げてきた。


◆株価の過熱警告サインが出難くなる

「金融活動指標(ヒートマップ)」は、バブルの発生の可能性を早めに察知するための指標で、バブル崩壊やリーマン・ショックが日本経済に深刻な打撃を与えたことを反省し、株や土地市場の過熱を早めに知るため12年に導入。不動産や企業の設備投資、株価などの14項目で過熱の警報サインが示される。

株価では過去のTOPIX(東証株価指数)のデータを基にトレンドを算出。トレンドの上下に一定の帯域を設け、超過した場合に「過熱」や「停滞」と判定する。

東京新聞の「株価 過熱サイン出にくく、日銀 バブル警報緩和」記事によれば、東京新聞がニッセイ基礎研究所の上野剛志氏の協力を得て調べた結果、日銀が14年4月に基準変更した際に帯域の幅を広げたため、その後株価の過熱を警告するサインが大幅に出難くなっていた事が判明したらしい。

株価の上昇局面でも日銀が株を買い続けていることで、株価を実態以上に押し上げバブルに繋がると、専門家から懸念が出ている。


◆日銀の常識は世界の非常識、中央銀行の株買いは禁じ手

世界の主要な中央銀行で「禁じ手」とされる株の直接買い入れなど誰もやっていない。日銀の株買いが「株価押し上げ策」と揶揄される所以である。買う理由が曖昧な上、自らの財務へのリスクを高め、続ければ続ける程止める時に価格が暴落する危険も増す。

株価は経済が成長して企業が儲かれば上昇する「景気の鏡」だ。

昨年7月まで日銀審議委員を務めた木内登英氏は、「事実上株価を上げるためにETFを買っている状況。市場を歪めており、早く買い入れを減らすべきだ」と提言している。

東京新聞だけでなく日本経済新聞の記事でも「株価が午前中の取引で0.5%以上下げると、午後に必ず日銀が買っている」と書いている。

○「下値では必ず日銀の買いが入る」と言う外国のヘッジ・ファンドも存在するほど、市場参加者の甘えが蔓延し、結果的に日本の国富が海外に駄々漏れする事態に陥っている。本当にそれで良いのか?

この記事について

このページは、烏柄杓が2018年1月26日 17:50に書いた記事です。

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