7月25日、ギリシャ政府は3年ぶりに国債(5年物国債30億ユーロ、3900億円)の発行を再開した。
同政府は債務問題からの脱却を印象付けるため、2014年4月に発行した5年債の利回り4.95%を下回ることを目指していたが、結果は4.625%となりチプラス政権の思惑通りとなったようだ。
但し、投資家の応札額は計65億ユーロに止まり、3年前の200億ユーロには遠く及ばなかった。
◆ギリシャ国債の紙屑リスク後退?
日本経済新聞によれば、EU(欧州連合)の欧州委員会は12日、ギリシャを過剰な財政赤字を是正するための監視対象リストから外すように加盟国政府へ提案する事を決めたらしい。
2009年財政赤字がGDP(国内総生産)比で15.1%に達するなど財政難に陥ったギリシャは、欧州委から「過剰財政赤字是正手続き」対象国に指定され、予算編成の裁量などを制限されてきた。
だが、金融支援と引き換えに財政再建策を実行し、2016年はGDP比で0.7%の財政黒字を確保。
しかし、ギリシャの公的債務は未だ40兆円以上に上り、債務問題の根本的解決からは程遠いと言わざるを得ない。
◆世界を騙し討ちか、それともギリシャは許されたのか
・ユーロ圏は6月、85億ユーロの追加融資を再開
・IMF(国際通貨基金)は7月20日、融資再開を決定(債務軽減策具体化の条件付き)
・ギリシャに端を発する欧州金融危機の終了事象としたい、欧州連合側(特にドイツ)の思惑
だがしかし、前回の国債再発行でもギリシャは借金地獄から抜け出せず、ギリシャ国債の紙屑リスク=貸し倒れリスクは大きな口を開けたままだ。
・世界の闇の支配層が、ギリシャを許すと決めたのなら話は別だが。