91歳のマハティール氏、ブルームバーグ紙のインタビューに応じられたようだ。お元気そうで何より。
ブルームバーグ(原題:Mahathir Still Hates Currency Traders 20 Years After Asia Crisis)によれば、マハティール氏は今も、20年前のアジア通貨危機時にマレーシアを瀬戸際まで追い詰めた通貨トレーダーが嫌いだ。そして、
「通貨を商品のように扱い作為的に相場を押し下げ、貧しい国に更に多くの貧困をもたらすのは正しい事ではない」
と語ったらしい。
◆資本を統制して異端者と呼ばれる
アジア金融危機が勃発した20年前、当時マレーシアの首相だったマハティール氏は、IMF(国際通貨基金)による救済を拒否。資本統制を行って世界を驚かせ、経済の異端者となった。
アジア通貨危機の引き金を引いたトレーダー等を「暴利を貪る恥知らず」と呼び、通貨トレーダーという職業は「不道徳」だと断じた。
・資本統制を導入した結果、マレーシアの経済は縮小したが、比較的素早く立ち直った。
◆IMF救済は悪魔の囁き
IMFの救済を受け入れた国の民衆が、以前のような暮らしぶりに復興する事は、極めて稀だ。貧富の格差が急拡大し、(存在したなら)中産階級は没落し庶民は貧困を極め、(上手く立ち回った富裕層を除き)社会全体が荒廃していく。
南米でデフォルトやデフォルトしかけた国の生活は惨たらしく、サムスンで一見華やかそうな韓国もその口だ。
日本の近い将来、日銀の金融緩和出口戦略の破綻や財政危機に見舞われた時、果たしてマレーシアの様に「資本統制」を導入出来るかどうか。マハティール氏の様な切れる人物が首相になっているかどうか。
・間違っても、IMFの救済を受け入れるような首相(政府首脳)を許してはならない筈だ。