ギリシャショック(2009年10月発覚)がユーロの信用不安を引き起こし、世界経済が大混乱となった2010年春以降、米国勢は度々ユーロ潰しに興じていたが、世界的なユーロの信用不安も終焉に向かい始めたようだ(米国が煽っても世界が動じなくなった?)。
為替損益の静寂2のブログで「平成29年06月時点のCMEユーロ先物持高」グラフを見ると、ユーロのIMM通貨先物未決済ポジションは2014年5月前後から売り浴びせられていたが、3年ぶりに今年5月前後から買い戻しが強まっている。
ショートポジションが縮小していることもさることながら、ロングポジションが150,000を超え、ユーロ買い復活とも言える状況なのではないか。
米シカゴ筋の買いが本物なら、ここ最近のユーロの堅調さもさもありなんで、米国勢の仕掛け的な買い復活(騙し・罠)なのかどうか注目が必要なところだ。
もしもトレンド転換であったなら、かなり長いユーロ買い優勢が続くことになるのかも。
◆追記、先日、日本経済新聞が伝えた「欧州、緩和「出口」を意識 国債利回り上昇加速」によれば、
ECB(欧州中央銀行)が来年(2018年)初めにも量的緩和を段階的に縮小していく「テーパリング」に踏み切るとの観測が強まっていることから、欧州金融市場で年限の短い国債を中心に、債券利回りの上昇(価格低下)が加速しているそうだ。
ただ、欧州の政治的なリスクの後退や景気回復への期待が市場のデフレ懸念を和らげ、金利を上げている側面もあるとも指摘。
金融市場の動きとして、
・ECBが量的緩和による国債などの買い入れを徐々に減らしていくことを織り込み始めた
・ECBが9月か10月の理事会でテーパリングに合意し、来年から減額に踏み切るとの見方が多数
・ECBのマイナス金利政策が転換点に近づいている(金利の正常化)との見方も広がる
などが挙げられている。
一方、財政赤字の大きいイタリアなどの高債務国にとっては、ECBの買い入れが減額されれば国債の需給は緩み、国債発行の多い南欧の各国金利は上昇圧力がかかりやすくなり、テーパリングは景気回復への逆風となる問題も。
ユーロ圏の長期金利の指標となるドイツ10年国債は高水準となる0.4%台を付け、欧州各国にも金利上昇が波及し、ユーロが買われる結果となった。
ユーロ円は129円20銭前後、ユーロドルは1.142ドル前後と、急上昇を見せている。