東京新聞が、各国がTOC条約(国際組織犯罪防止条約)を締結する際に、立法作業の指針とする国連の「立法ガイド」を執筆した刑事司法学者のニコス・パッサス氏(58歳)にインタビューした(http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201706/CK2017060502000127.html)。
◆TOC条約はテロ防止を目的としたものではない
パッサス氏は6月3日にロンドン中心部で起きたテロなどを引合いに出して、英国は長年TOC条約のメンバーだが条約を締結するだけではテロの防止にはならないと語り、新たな法案などの導入を正当化するために条約を利用してはならないと警鐘を鳴らした
更に同氏はテロ対策に関して、それぞれの国に異なった事情があり、先ずは刑法など国内の制度や政策を活用するものだと主張。条約はあくまで各国の捜査協力を容易にするためのものという認識を示した。
◆テロ対策と称しゴリ押しする共謀罪法案
自民党政権は東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策として、共謀罪の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案を成立させ、条約を締結しなければならないと主張しているが、本当にそうか?
現在の自民党は、政府への抗議活動を犯罪と見做そうとする場合が多々あり、だからこそイデオロギーに由来する罪状認定は大いなる危険性を孕むことになる。
・軍事警察(明治14年設置)でありながら次第に権限を拡大させ、思想弾圧など国民生活全体を監視するに至った「憲兵」
・思想犯罪に対処し、社会運動などを弾圧した「特別高等警察」所謂「特高」(明治44年設置)
・戦前戦中を通じて日本に止めを刺したのが「治安維持法」。国体の変革、私有財産制度を否定する社会活動を取り締まるために大正14年公布。昭和16年全面改正して共産主義運動、言論や思想の自由を弾圧。
・流石に憲兵は来なかったが地方の田舎の小学校にまで「在郷軍人」を派遣し、教師と学童を抑圧した日本政府。
◆やがては共謀罪も第2の治安維持法になる?
冤罪なんぞで済んでる内は、まだ良い方なのかもしれない。間違いなく自民党は権力維持のため、法改正に狂奔することになるだろう。