東京新聞によれば先日、CIA(米中央情報局)の元職員エドワード・スノーデン氏(33歳)が、亡命先のモスクワで共同通信と単独会見した(http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201706/CK2017060202000125.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201706/CK2017060202000138.html)。
スノーデン氏は、NSA(米国家安全保障局)による世界規模でのスパイ活動=個人情報収集を暴露。米当局はスパイ活動取締法違反などの疑いで訴追したが、監視社会の実態を告発した「内部告発者」として評価する者も多い。
会見で同氏は、持ち出して暴露した文書は全て「本物」と強調。NSAが極秘の情報監視システムを日本側に供与していたことを確認した。
◆日本を騙し討ちにして個人のメールや通話などの大量監視を行う自民党政権
同氏によれば、NSAは「XKEYSCORE(エックスキースコア)」と呼ばれるメールや通話などの大規模監視システムを日本側に供与。同システムは、国内だけでなく世界中のほぼ全ての通信情報を収集できるらしい。
同氏は共謀罪について、「日本における(一般人も対象とする)大量監視の始まり。日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものになる」と指摘するとともに、法案に懸念を表明した国連特別報告者に「同意する」と述べた。
◆エックスキースコア大規模監視システムを日米で共有
スノーデン氏は語る。
「(供与を示す)機密文書は本物だ。米政府も(漏洩文書は)本物と認めている。日本政府だけが認めないのは、馬鹿げている」
「(共謀罪法案は)大量監視の始まりであり、日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものになる」
「あなたに何も隠すものが無いなら、何も恐れることはないとも言われるが、これはナチス・ドイツのプロパガンダが起源だ。」
「プライバシーとは、隠す為のものではない。開かれ、人々が多様でいられ、自分の考えを持つことができる社会を守ることだ。」
「かつて自由と呼ばれていたものがプライバシーだ。」
「(対テロ戦争後に成立した)愛国者法の説明で、米政府は現在の日本政府と同じことを言った。これは一般人を対象にしていない。テロリストを見つけ出すためだと。だが法成立後、米政府はこの愛国者法を米国内だけでなく世界中の通話記録収集などに活用した」
「十年間続いた大量監視は、一件のテロも予防できなかったとする米国の独立委員会の報告書もある」
◆テロ対策と偽る共謀罪法案
・小林多喜二のデスマスクに思いを馳せ
・蟹工船を熟読し、思想犯捏造の狂気の沙汰に気付くべし