尖閣諸島に日米安保適用だって? 強奪された竹島を切り捨てた米国が今更

マティス米国防長官が安倍首相と会談し、沖縄県の尖閣諸島が米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用範囲だと明言した。

尖閣諸島は日本の施政下にあり、安保条約第5条の適用範囲だから、尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとする如何なる一方的な行動にも反対する。ということらしい。

またマティス氏は、「私がこの地域をまず訪問したいと希望した。政権移行期に米国と日本が肩を並べ、共に歩むということに一切誤解がないようにしたいという気持ちからだ」と述べた。

ティラーソン米国務長官も岸田外相との電話会談で、沖縄県の尖閣諸島が米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用範囲との認識を示し、「尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとする、如何なる一方的な行動にも反対する」と述べた。


◆両氏の言葉に、日本政府と関係者は大喜びのようだが本当に大丈夫なのか、糠喜びで終わることにならないのか?

大体において日米安全保障条約の眼目は、米国側だけが義務を負う片務条約だと言われている。それなのに、米国と日本が肩を並べ共に歩む? 互いに五分と五分なのだから自ら防衛しろと突き放されていはしないか。

外敵の侵攻で一時的にでも尖閣諸島が日本の施政下外に陥った場合、適用範囲外となってしまうのではないか。尖閣防衛軍を駐屯させなくて良いのか?


◆米国は韓国に侵攻された竹島を見捨てた前歴がある

昭和27年(1952年)1月、李承晩初代韓国大統領は「海洋主権宣言」に基づき、韓国政府が一方的に日本海・東シナ海に軍事境界線、所謂「李承晩ライン」を国際法に反して設定。そのラインの内側に、強制的に竹島を取り込んだ。

当時、日本の主権は回復しておらず(サンフランシスコ平和条約に署名したものの、発効前)、日本の海上自衛隊の前身組織である海上警備隊も存在していなかった。

これに対し日米両国は「国際法上の慣例を無視した措置」として強く抗議。

昭和29年(1954年)年6月,韓国内務部は韓国沿岸警備隊の駐留部隊を竹島に派遣したことを発表。同年8月、竹島周辺を航行中の海上保安庁巡視船が同島から銃撃され,韓国の警備隊が竹島に駐留していることが裏付けられた。


・米国政府が安保条約の適用範囲だと明言する「言質」は、日本政府や日本国民に対する単なるリップサービスではあるまいか。
・仮に尖閣諸島が他国に強奪された場合、米国政府は強く抗議するだけでお茶を濁すのではあるまいか。

・北海道文化放送のニュース記事「『いつでも去る準備を』トランプ大統領の発言について艦長を直撃 北海道小樽市」が非常に気懸り。

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このページは、烏柄杓が2017年2月 8日 21:01に書いた記事です。

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