米ドル独歩高、今後もドル高基調は続くのか?

今月前半頃から怪しげな米利上げ休止論なる「米国の利上げサイクルは今年末で終了」、「12月か来年3月かどちらかの利上げは中止すべき」などの話題がニュースに取り上げられ、米株価や為替が乱高下するなど一段と騒がしさが増した感がある。

 ・米利上げは米株価にマイナス材料、米利上げ観測後退は米株価にプラス材料
 ・米金利安はドル売り圧力
 ・イギリスのブレクジットやイタリアの財政不安によるポンド売りやユーロ売りが同時進行(結果、ドル高)
 ・世界経済の先行き減速懸念の強まり
 ・FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長

などなど、理由は色々と取り沙汰されていたが・・・。

○新興国経済リスク、欧州経済リスク、米中貿易摩擦リスク、米国経済減速リスク、日本経済停滞リスク、本当(最大)のリスクは?


CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のIMM通貨先物未決済ポジションは如何なっているかと「為替損益の静寂2」ブログを眺めてみたら、なんとユーロですら10月初旬から売り優勢。全ての主要通貨がドル買いに傾いていた。

 ・CHFは2016年9月下旬から売り優勢(平成30年11月時点のCME瑞フラン先物持高
 ・CADは2018年3月下旬から売り優勢(平成30年11月時点のCME加ドル先物持高
 ・AUDは2018年4月初旬から売り優勢(平成30年11月時点のCME豪ドル先物持高
 ・JPYは2018年5月初旬から売り優勢(平成30年11月時点のCME円先物持高
 ・GBPは2018年6月中旬から売り優勢(平成30年11月時点のCME英ポンド先物持高
 ・NZDは2018年6月中旬から売り優勢(平成30年11月時点のCMENZドル先物持高
 ・EURは2018年10月初旬から売り優勢(平成30年11月時点のCMEユーロ先物持高


★それでも来年、世界経済の減速懸念から米利上げの先行きに不透明感が漂い、米長期金利が3%前後の横這いで推移または米金利が低下(米国債価格が上昇)したら、日米金利差の縮小からドル売り円買いの円高に繋がる可能性もあり得る。


◆追記、お惚けパウエルに強かトランプ

昨夜は114円まで円安が進んだが、パウエルFRB議長の講演を切っ掛けに、一気にドル売りへと傾いたドル円相場。29日13時時点の状況は、凡そ60銭円高の113円40銭前後。

米利上げ打ち止め観測が高まり、時間外の米国債も買いが優勢(米金利低下)なんだとか。

パウエル氏は「政策に既定路線なく、金利は中立レンジをやや下回る」「利上げの影響は不確実で顕在化に1年以上かかる可能性」などと言及したらしい。何故かこれらの発言が、引き締めへの慎重発言で市場ではサプライズと受け止められたらしいのだが・・・。

色々覘いてみると、FF政策金利2.00~2.25%と中立金利水準2.50~3.50%と中立金利3.00%の表現の綾で、中立金利の3.0%にはまだ遠いけど、中立金利水準の下限2.5%は僅かに下回る。という話だったらしい。

★お見事! お惚けパウエルFRB議長に強かトランプ大統領コンビ。

強面で惚けてんのか、物腰柔らかに突っ込んでるのかは知らないけど、エンターテイナー的名演技、確かに市場は踊らされ続けてるね。

結局、パウエル議長にブレは無い! トランプ大統領から援護射撃!ってな感じなのかな?

この記事について

このページは、烏柄杓が2018年11月27日 23:31に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「阿賀野川SAも秋の終わり?」です。

次の記事は「FFRはやはり紛い物? FTA交渉なのに日米貿易協議と欺く、嘘吐き安倍政権」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

お気に入りリンク

Powered by Movable Type 6.3.2