積み上がる円売りポジション、投機筋が手仕舞いに向かうのは

7月28日に終値で1ドル111円を割り込んでから、先々週は110円台の取引が続いたが、先週はとうとう109円を割り込み108円台に突入した(終値では109円を回復したが)。

投機筋による円売りポジションが溜まり続けているために、一寸した切っ掛けで円高ドル安へ大きく振れるとの見方が出てきたと、先週の日本経済新聞の前書きが伝えていた。
世界の金融市場は空前の金(カネ)余りで、株・債券・為替のいずれも相場が振れやすくなっている。日本国内の取引材料が限られる円は現在身動きが取り難いが、世界市場の動向次第で一気に動くかもしれないそうだ。

それではと為替損益の静寂2のブログで「平成29年08月時点のCME円先物持高」グラフを見たところ、円のIMM通貨先物未決済ポジション推移は、

2016年12月頃に1ドル118.60円台
2015年6月頃に 1ドル125.80円台
2013年12月頃に1ドル105.40円台
2013年5月頃に 1ドル103.70円台

と売りポジション&持ち高が膨れ上がり、それぞれ大幅な円安となっていた。

2017年7月には、円売りポジションが150000を超え、持ち高が120000を超える売り越しとなっている。


◆投機筋が持ち高解消=利益確定に動くのは何時か

・米国が北朝鮮に侵攻した時(第2次朝鮮戦争勃発?)
・米国の自動車ローンバブルが破綻した時
・どこぞの国の住宅バブルが破裂した時
・日本のアパートローンバブルが崩壊した時
・日本の不動産バブルもかなり危ない
・それから...


◆追記、日本経済新聞の有料記事の見出し&前書きによれば、

「ビッグ・ショートを探す市場 危機から10年 編集委員 松崎雄典」
「株、先物4000億円の売り失敗 北朝鮮リスク緩和で」
「低格付け債に静かな売り リスク回避、株安の前兆か 証券部 嶋田有」

・ヘッジファンドの運用者や投資銀行家が集えば、「君のビッグ・ショートは何だい」と、お決まりのように次に暴落する資産を探して意見を交わす。
・15日午前の東京株式市場は、米政府高官の発言などを受け北朝鮮リスクへの警戒が一旦後退し、前日比252円(1.3%)高の1万9789円と反発。これまで半島情勢を材料に「株価指数先物の売り持ち高を膨らませていた海外短期筋が想定外の買い戻しを迫られた」のが相場上昇の背景だ。
・米国と北朝鮮の挑発合戦を受けて不安定な金融市場の底流に不気味なサインが灯っている。世界のマネーの動きを見ると、投資家の旺盛な需要に支えられてきた低格付け債に静かに売りが広がっているのだ。リスク度の高い資産から順に売られ始めたのだとしたら日本株も無傷でいられない。

などと書かれていた。

目を皿のようにして実体経済と乖離した相場(獲物)を探し出し、巨額の空売りを仕掛ける禿鷲ファンド。リーマンブラザーズ証券も同業他社や商業銀行に売り浴びせられて株価が大暴落、破綻に至ったらしい。

世界中の禿鷲ファンドが第2次朝鮮戦争の勃発を固唾を呑んで待ち構えているであろうことは明らか。後はトランプ大統領が開戦の口実を手にするだけ。

そして最大の獲物は、異次元緩和依存症の日本市場。今回はただの顔見世だったのかも知れない。

この記事について

このページは、烏柄杓が2017年8月14日 08:28に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「スマホ見ていた運転手を過失傷害容疑で逮捕、新東名高速多重事故で1人死亡」です。

次の記事は「他力本願な株の機関投資家と果敢なFXのミセス・ワタナベ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

お気に入りリンク

Powered by Movable Type 6.3.2