歯磨きだけでは、歯周病や虫歯を防げない

虫歯は歯の組織に虫歯菌が感染して歯が溶かされる感染症。歯周病は歯と歯茎の境目に歯周病菌が感染して歯槽骨が溶かされる感染症。

赤ちゃんは虫歯菌ゼロで生まれてくるのに、乳歯が生えると虫歯に泣かされるのは、母親など肉親からの唾液(食べ物や食器の共有、口移しなど)により虫歯菌に感染するから。

歯と歯茎の境目に感染した歯周病菌が増殖すると、歯茎が炎症を起こし、放置して悪化すると歯を支える骨まで溶けて歯が抜けてしまう歯槽膿漏となる。


◆虫歯のできやすい個所

 ・歯と歯の間
 ・歯と歯茎の境目
 ・歯の噛み合わせ部分(咬合部と呼ぶらしい)、特に奥歯

いずれも歯ブラシだけでは磨き難く、歯垢が残りやすい場所だ。


◆成人の凡そ80%が歯周病に罹患

日本人の95%以上が毎日歯磨きをしているのに、何故か、約80%の成人が歯周病に罹患しているらしい。そして80歳になった時点で、 歯が平均で12本しか残ってないらしい。

虫歯や歯周病から歯を守ろうと毎日歯磨きをしてはいるものの、歯周病の原因となる歯垢を完全に取り除けない事が原因らしい。

歯周病は「歯肉炎」→「歯周炎」→「歯槽膿漏」と病状が悪化していく。日本人の殆どが、歯肉炎の状態で歯垢の処置をすれば健康な歯茎を取り戻せる、という事を知らない。

歯を失う弊害は意外にも多い。例えば、認知症のリスクや寝たきりになる確率が高くなり、死亡のリスクも高まるらしい。
また、咄嗟の時に踏み止まるためには歯を食いしばる必要があるので、転倒事故との関連も指摘されている。


◆歯周病と重篤な病気との関連

口の中が歯周病菌や虫歯菌だらけで不潔だと、口内炎ができやすくなったり、風邪が治り難くなったりする。

歯周病菌が弱った歯茎から血管に入り込むと、「動脈硬化」や「狭心症」、「心筋梗塞」「脳梗塞」などのリスクが高まる他、「糖尿病」を悪化させる原因にもなる。
また、妊娠中に歯周病になると、「早産」や「流産」、「低出生体重児」などの要因にもなるようだ。

どんなに食べ物や飲み物に気を使っていても、それを摂取する口の中が歯周病菌や虫歯菌で一杯だとしたら、本末転倒だろう。


◆Goodbye Perio Project、さよなら歯周病プロジェクト

「Goodbye Perio Project」は全国の歯科衛生士が、全ての人が歯を失うこと無く生涯健康で豊かな人生を送れるように、歯周病予防を啓発しているプロジェクトだそうだ。

その事務局曰く、

「歯周病菌は歯と歯茎の間にあります。普通の歯磨きでは、そこまでは磨ききれません。アメリカではフロス オア ダイという呼び掛けさえある位で、フロスの使用は世界の常識。私達は先ずはそうしたことからフロスをライフスタイルとなるまで導く活動をしていきたいと考えています」

「歯周病の人が脳梗塞になる確率は、健康な歯茎の人の約2.8倍。低体重児出産・早産はなんと7倍です。その予防は単に口の中のためだけではないのです」

らしいので、Webサイトを覘いてみるのも良いかも。


◆歯ブラシでは落とせない、歯磨きグッズ

 ・歯と歯の間の歯垢は「デンタルフロス(糸ようじ)」
 ・歯と歯茎の隙間の歯垢は「歯間ブラシ」
 ・歯ブラシが届き難い奥歯の溝や歯間は「スポットブラシ」

この記事について

このページは、烏柄杓が2017年10月29日 14:53に書いた記事です。

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